スウェーデンを拠点に活動するアーティスト集団「アーバン フォレスト/Urban Forest」所属のガラス作家、山野アンダーソン陽子さんがデザインし、波佐見焼の陶磁器メーカー「東京西海(とうきょうさいかい)」が製造販売を行う、この「リム オーバル」。
全体を見ると一見なんてことのないかたちに見えますが、使ってはじめてその計算されつくしたデザインに気付かされます。すうっと伸びたフォルムは、細すぎず太すぎず、絶妙な楕円形。食卓上の空間にちょうどよく馴染んでくれます。そして底から角度をつけて立ち上がり、その先にあるのは指を添えるのに程よい幅のリム。 カレーや煮物、パスタ。汁気のある食べ物なら、食べ終わる直前、器に少しだけ残った食べ物をすくうとき、その角度がいかにすくいやすいかということに気づくはずです。
そしてパンやサラダに果物。買ったまま、切っただけの食べ物をただ乗せたとき、それだけで少し華やいだ食卓に、ついおしゃべりになってしまうかもしれません。
よく見るとリムの縁には柔らかな色。グレー、グリーン、ブラウンと色の付いていないホワイトの4色があります。色付きのものは職人がひとつひとつ手作業で施釉するため、かすれやムラなどが生まれ、器の表情を彩ります。同色で揃えるのもいいですし、家族で色分けして使うのにも役立ちます。
大げさな装飾はないけれど、ささやかな、うれしい工夫が細部にまで施されています。
気付けば、食卓に登場する定番の器になっているはずです。