石川県能美市の「九谷青窯(くたにせいよう)」にて18年にわたり作陶をされてきた、人気陶工の徳永遊心(とくながゆうしん)さん。独立後の動向が気になっていたファンにとって待望の新作が届きました。
色とりどりの勿忘草(わすれなぐさ)が可憐に描かれた遊心さんらしいタッチの作品。こちらは、九谷青窯時代にも描かれていたモチーフですが、配置や配色を変え、フリーデザインのオリジナルとしてつくっていただきました。成形から焼成まで遊心さん本人がひとりで手掛け、九谷青窯時代にはなかった遊心さんのサインが入ります。
勿忘草は本来、青紫色をした小さな花。欧米諸国では「forget-me-not」と呼ばれ、古来より友愛や誠実の象徴として広く親しまれている花です。この控えめで可憐な小花を、色いっぱいに描いたうつわ。いつもの食卓に花が咲いたような、幸せな気持ちになれそうです。
和食器ながら、東欧や北欧を感じさせる、どこか素朴で温かみのある色使いは、「九谷五彩(くたにごさい)」と呼ばれる九谷焼特有の色絵の具を使い、九谷青窯時代にはなかった新色のピンクと黄緑を加えつつ、現代的にアレンジしたもの。うつわだけでも魅力がありますが、食べ物を乗せることでその魅力が引き立ち、さらに食事も一層美味しそうに見せてくれます。
4.5寸鉢は、副菜の盛り付けや取り皿にも使える和食には欠かせない小鉢。洋食やデザートにも使える万能なうつわで、例えば、シンプルなサラダやポタージュスープ、色味が地味な麺類や小丼なども華やかに引き立ててくれます。愛らしいモチーフに、眺めているだけで元気が出てくる色。日々の料理もパッと華やかに変えてくれる、頼もしい小鉢です。