使い手のことを考え、極限までシンプルなデザインにたどり着いた名作。
1958年にカイ・フランクのデザインによって発表された「イッタラ/iittala」の「カルティオ カラフェ」は、ひとつひとつ職人のハンドブロー(手吹き)によってつくられています。
手にとると、これほど直線的なシルエットを薄く均等な厚さに仕上げるガラス職人の技術の高さにまず驚かされることでしょう。
中央のくびれ部分は適度に細くて持ちやすく、水を注ぐ際のコントロールのしやすさも抜群です。水切れの良いシャープな注ぎ口の形状も魅力的。一方で吹きガラスゆえに生まれる独特の揺らぎも見られ、手仕事ならではのあたたかみを感じられるポイントです。さらに、上部が広くなっているので氷やカットフルーツなども入れやすく、水を入れると重心が安定する設計になっています。
デザインされてから半世紀以上経った今もなお、世界中で愛用され続けていることがその使いやすさを証明していると言えます。
一切の無駄を削ぎ落とした潔いほどにシンプルなフォルムは、ピッチャーとしてはもちろん、ワインやサングリアを注いでデキャンタとして使っても。持ち上げてグラスに注ぐ一連の動作もとてもスマートに見せてくれます。飲み物以外にも、フラワーベースにしたり、そのままオブジェとして飾るだけでも様になる佇まいです。
同シリーズのグラスと使うことでさらに魅力的に。セットにしてプレゼントするのもおすすめです。