インテリアに取り入れやすく、手軽に飾れるものといえば、絵画をはじめとした平面アートではないでしょうか。その中でも、特に手に入れやすいのがポスター。長きにわたって世界中で愛されている「アルテック/Artek」のアイテムをモチーフにしたものなら、お手持ちの家具と揃えたり、憧れのモチーフを選んだりと、よりセレクトする楽しみが増えそうです。
言わずと知れた北欧を代表するインテリアブランドであるアルテック。創立者のひとり、建築家でありデザイナーのアルヴァ・アアルトが世に出した名作は数知れず。ポスターのモチーフになったのは、その中でも特に人気の高いアイテムです。
ポスター4種類のうち、3種類のデザインを手掛けたのは、ベルリンのデザインスタジオ「グレージュ/Greige」。「A331 ペンダント ビーハイブ」、「41 アームチェア パイミオ」、「スツール 60」をシンプルに図案化し、プレーンな印象の再生紙に2〜3色のシルクスクリーンプリントだけでミニマルに表現。シックな印象なので、さまざまなインテリアに馴染むでしょう。
白地にビビッドなカラーが目をひく「スツール 60 オレンジ」は、アルテックのオリジナルデザイン。ブランドを代表する家具の遍歴が時系列に沿ってプリントされているので、カタログのように細部までじっくり見て楽しむことができます。
このポスターを眺めていて気がつくのは、名作と呼ばれる家具は、グラフィックになってもその素晴らしさが損なわれないということ。立体から平面になってはじめて見えてくる魅力もあるのだと、アアルトデザインの真髄を垣間見ることができるポスターです。

<モチーフのご紹介>
・スツール 60
1933年にデザインされた、アルテックを象徴するアイテム。フィンランド産のバーチ(白樺)を用い、三本脚のユニークなデザインで、耐久性にも優れています。ゆるやかなカーブを描く「L-レッグ」は、曲木を応用したブランド独自の技術でつくられており、50を超えるアルテック製品に応用されています。
・A331 ペンダント ビーハイブ
「beehive(蜂の巣)」の愛称で知られるこのライトは、1953年、フィンランド中央部の都市、ユバスキュラにある大学のためにデザインされたもの。シェードの間には等間隔に穴のあいたスチール製のブラスメッキリングが差し込まれ、あかりをつけると、やわらかく照らします。建築とインテリアにおいて、自然光と人工的な照明の両方を大切にしていたアルヴァ・アアルトらしい、あたたかな空間を演出するペンダントライトです。
・41 アームチェア パイミオ
1932年、結核患者の療養所「パイミオ サナトリウム」で使用するためにデザインされたアームチェア。背もたれは、患者が呼吸しやすく、リラックスできるように設計され、座面は高い弾力性で、宙に浮いているかのような座り心地です。アアルトデザインの特徴である、有機的なラインを描くフレームは、経年による木材の歪みの影響が出ないよう工夫が施されています。