野田琺瑯

1934年創業の野田琺瑯。「琺瑯(ほうろう)」と聞くと、なぜか懐かしい響きがするのは、かつて日本の台所には必ずあった琺瑯の鍋のイメージに結びつくからでしょう。「素地」と呼ばれる、いわゆる鉄の本体部分の成型行程と、 それにガラス質の釉薬をかけて焼き上げる焼成行程の2つによってできあがる琺瑯。金属の強さと、ガラスの美しさや清潔感のどちらも兼ね添えた琺瑯ですが、ステンレスやアルミの製造に比べて行程が多く、時間も手間もかかるため、最盛期には100社近くあったメーカーが、激減。現在、野田琺瑯は琺瑯づくりの全行程を国内で一貫して行うことのできる唯一のメーカーとなりました。
酸や塩分に強いので、食材や薬品の保存に適しているのが琺瑯。火にかけることができて、さらには保存までできるその良さを活かして、日々の道具を提案し続ける野田琺瑯。琺瑯の温かみと使い勝手は、時代が変わっても多くの人に支持される理由のひとつです。