1873年にフィンランドの首都、ヘルシンキ郊外のアラビア地区で誕生して以来、美しく機能的なデザインで世界中を魅了し続けている陶磁器ブランド「アラビア/ARABIA」。2023年に創業150周年を迎え、記念アイテムとしてさまざまな新作テーブルウェアが発売されました。アラビアファンの方にはたまらない、目移りしてしまう年だったのではないでしょうか。

このページでは、当店から今年皆様にお届けしてきたアラビア150周年記念アイテムを、改めておさらいしながらその魅力をお届けしたいと思います。
商品ページには載せきれなかったプチ情報やおすすめのポイントなどもありますので、すでにご自宅で愛用中の方も、アラビア食器初心者の方も、ぜひ一緒に振り返りながら楽しんでご覧ください。

シリーズ違いで揃えても楽しいのがアラビアの器

見た目の美しさと実用性を兼ね備えたアラビアの食器。デザイナーや設計チーム、製品開発チームなど多くの専門家が連携し、現代の私たちの暮らしに合うようにアップデートされ続けています。

名作を復刻した「エミリア」「クロッカス」シリーズや、フィンランドの若手デザイナー、アルミ・テヴァが手掛けた「プータルフリ」シリーズも、今のアラビアの定番シェイプにデザインを施したもの。下の写真の3アイテムはどれも同じかたちなので、シリーズ違いで揃えて使うのも、遊び心があって楽しい食卓になります。

写真は上から時計回りに、「エミリア」「プータルフリ」「クロッカス」シリーズ。

■ エミリア/Emilia

デザイナーライヤ・ウオシッキネン/Raija Uosikkinen
発売年(オリジナル)1957-1966年

150周年アニバーサリーイヤーのラストを締めくくったのがこちらの「エミリア」シリーズ。1957年から66年まで発売されたアラビアの名作の復刻版で、ヴィンテージアイテムは今でも人気が高いシリーズです。

「エミリア」シリーズの特徴はなんといっても、ラインナップの豊富さと、各アイテムにそれぞれ異なるイラストが施されているところ。
花でいっぱいの自転車に乗っていたり、緑豊かな公園で友人とお茶をしていたり……。おとぎ話のようなエミリアの暮らしが、繊細なタッチで描かれている楽しい器です。

8種類のラインナップの中でも、特に注目していただきたいのがミニカップ。あまり日本の食卓では馴染みのないアイテムですが、ゆで卵を殻ごと提供するための食器として、ヨーロッパではポピュラーなものだそう。用途としてはあまり馴染みがないですが、どこか親近感を抱くのは、お猪口のようなかたちをしているからでしょうか? ケチャップやディップソースを入れたりするのにも役立つので、ぜひこの機会にミニサイズの小さなカップを手に入れてみてください!

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■ マイニオ サラストゥス/Mainio Sarastus

デザイナーアラビア デザイナーチーム
発売年2018年

現在のアラビアで活躍するエキスパートたちが生み出した「マイニオ サラストゥス」。2018年に発表されたシリーズで、150周年の特別なバックスタンプ入りのベージュが今年新たに仲間入りし、ブラックと2色展開で当店にもこの冬新入荷しました。

ラインとドットのデザインは、一見上品な印象ですが、よく見ると線は手書きのようなゆらぎがあって、それが程よく可愛らしくカジュアルに使える雰囲気なのも魅力。クリスマスなどの特別な日から日常の食卓まで両方カバーしてくれるので、使えば使うほど、「このデザイン、嫌いな人はいないのでは?」とひいき目に見てしまうほどです。

プレート19cmは、実質料理をのせる幅は13cmほど。フチのデザインが料理を素敵に引き立ててくれるので、シンプルな料理も手の込んだご馳走のように見えてきます。ボウルは高台があるので、より華やかさをプラスしてくれます。

全体的にラインナップがコンパクトなのも使いやすいポイント。2人暮らし用のダイニングテーブルやカウンターテーブルに置くときにも場所をとらないサイズ感です。また、メインは「ティーマ プレート23cm」を使い、マイニオは取り皿や前菜をのせる器として使うのもおすすめです。

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■ クロッカス/Krokus

デザイナーエステリ・トムラ/Esteri Tomula
発売年(オリジナル)1978-1979年

アラビアで長年装飾デザイナーを務めた「エステリ・トムラ/Esteri Tomula」が生み出した名作デザイン「クロッカス」。繊細なタッチと独特な目線から描かれる植物画を得意としたエステリ・トムラの代表作といえる作品です。

クロッカスシリーズは、オリジナルの製造期間が2年しかなかったため、ヴィンテージ市場では希少価値の高いシリーズとなっていました。そんな中、2022年1月に復刻版が発売され、大変な盛り上がりを見せたのが記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
その後、約2年の時を経て2023年11月に発売された新作マグカップは、「ピンクリボンキャンペーン」の一環として製作されました。

「ピンクリボンキャンペーン」とは、乳がんの早期検査を啓発・推進するために世界規模で行われる運動のこと。このマグカップを通してひとりでも多くの女性が乳がんに対する意識を高めてほしい、というアラビアの想いが詰まった特別なアイテムです。現地フィンランドでは、売り上げの一部が募金として寄付され、乳がん研究や支援活動に役立てられているのだとか。
日本ではマグカップ購入に伴う募金活動を行っていませんが、このマグカップを使うときに誕生の経緯を少し思い出してみるだけでも健康への意識が変わるかもしれません。

モチーフになっている「クロッカス」は、北欧で春を象徴する花として知られています。春の訪れを感じさせてくれるピンクの配色は、やわらかな印象で、食卓を心地よく彩ってくれることでしょう。

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■ プータルフリ/Puutarhurit

デザイナーアルミ・テヴァ/Armi Teva
発売年2023年

フィンランド出身、新進気鋭の若手アーティスト「アルミ・テヴァ」が手掛けた「プータルフリ」。人の顔をモチーフにした陶製の立体作品をメインに制作活動を行っている彼女ですが、今回アラビアの創業150周年記念のために、ユーモラスな「庭師」のイラストを描き下ろしました。

繊細に描かれた線と、遊び心溢れる自由で大胆な絵柄。植物とその隙間から覗くさまざまな表情の庭師たちが繰り広げる小さな世界は、眺めているだけでさまざまな物語を想像させてくれます。

器にプリントされる前の原案イラストはモノトーンの線画でしたが、そこに青2色と赤1色というミニマルなカラーリングが施され、よりポップな印象となって色鮮やかな世界観で表現されました。アラビアがこだわり抜いた陶磁器の品質と、アルミ・テヴァの芸術的なセンスが見事にマッチした仕上がりになっています。

若手でありながら、アラビア150周年のデザインに抜擢されるほど、フィンランドで人気を集めているアルミ・テヴァ。この先、大注目のデザイナーのひとりです。彼女のユーモア溢れる愉快な器を、ぜひご自宅に迎え入れてみてはいかがでしょうか。

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特別なバックスタンプ

今回ご紹介したアイテムの2023年製造分には、150周年を記念した特別なバックスタンプが施されています。各シリーズの素敵なデザインを堪能した後に、そっと裏返してみてください。

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