手に持つと、木の手触りが心地いい「けずり箸」。木工作家の石井宏治さんが、一膳一膳、丁寧に手作業でつくる箸は、なめらかな丸みが美しい素朴な佇まいです。樹種は「山桜」と「メープル」の２種類。どちらも強度が高く、丈夫な木材です。


山桜（やまざくら）
使いはじめから落ち着いた風合いの「山桜」は、耐水性が高く、重硬で反りや曲がりが少ない材質。経年変化するほど色合いに深みが増し、天然素材の変化を楽しむことができます。


メープル
乳白色で明るい色味の「メープル」は、食卓を柔らかい雰囲気に演出してくれます。硬くて耐久性に優れているので、安心して毎日使用することができます。



箸先や箸頭に見てとれる丁寧な面取りの削り跡は、彫刻刀で削ってなめらかにした、こまやかな手仕事の跡です。塗装は施さず、オイルフィニッシュで仕上げているため、素朴な風合いを楽しむことができます。使っていくうちに白っぽく乾いたような状態になることがありますが、オイルを染み込ませて磨くことで、艶が増し、長く美しい状態を保つことができます。



遠くから見ると、いたってシンプルなデザイン。でも、手にとると、手作業の跡が見られ、そこにあたたかみを感じます。長く使うほど、変化していく様子が楽しめ、無垢材の魅力と手仕事の妙を思う存分味わえる「けずり箸」。日々の食事をさらに満足のいくものにしてくれるでしょう。