入荷するとすぐに売切れてしまうほどの人気シリーズ「色絵花繋ぎ」でおなじみの、徳永遊心(とくながゆうしん)さん。長年所属した石川県にある窯元「九谷青窯(くたにせいよう)」から独立し、金沢に工房兼自宅を構え、2020年から「遊心窯」という新しい屋号を掲げ、再出発。これを記念して、フリーデザインオリジナルの作品を依頼し、何度も試作を重ね、九谷青窯時代の作品よりも薄くて軽い、日々手に取りたくなるような器が完成しました。
この「色絵幸せ花繋ぎ」は、花や果物など、実際の植物をモチーフにすることの多い遊心さんにしては珍しく、架空の花がモチーフとなっています。「幸せ」というのは、四枚の花びら→四(し)合わせ→幸せと、まるで言葉遊びをするように、イメージを膨らませていったそう。パステル調の可愛らしい色使いは、「九谷五彩(くたにごさい)」と呼ばれる、九谷焼伝統の5色(緑・黄・紫・紺青・赤)の色絵の具を遊心さん流に巧みに用いてアレンジ。ぷっくりと艶やかに色付けされた花のピンクと、蕾の黄緑は九谷青窯時代にはなかった新色になります。
遊心さんがひとりで、ひとつひとつ、ろくろを回して形をつくり、下絵、上絵、数回の焼成を重ねようやく完成するこの鉢。多少の個体差も、大量生産の食器にはない、人の手の温もりを感じられる器です。
煮物鉢やサラダボウル、デザートボウル、副菜鉢、鍋の取り鉢など、使い道はいろいろ。器の外側には幸運のしるし、三つ葉のモチーフが2つ。毎朝のヨーグルトやシリアルなどの器にも最適。幸せ感いっぱいの絵柄に、一日中元気をもらえそうです。